mattayukuのブログ

思ったことを書くだけなので,エビデンスにはなりません.

科学崇拝

 「この製品は科学的に効果が実証されました!」という売り文句を目にしたことはあるだろう.素晴らしい売り文句だと思う.もうそれを使えばもう科学的に素晴らしいことが起きて,科学的に成長できるだろう!だがそこで言っている科学とは何だろうか?きっと白衣を着た研究者がなんかよくわからないけどフラスコやら顕微鏡を使って作り出した絶対に正しいものと考えているのではないだろう.もしくは学校でかつて経験した理科の授業をイメージするのだろうか.いずれにせよそのような認識の上で科学を崇拝しているのであれば,いいカモであると自覚したほうがよい.

 そもそも科学で証明とはどういうことだろうか?科学は絶対に正しいものだろうか?結論から述べると,科学は絶対に正しいとは言い切れないが,すべてが全くの見当違いだということではない(疑似科学は科学ですらない).すなわち科学は現実に対していい近似であるということだ.

 例えばある理論があり,それに対して多くの実験結果が理論に沿ったものだとしよう.なるほど,その理論はどうやらいい感じだぞ.しかし一つでもその理論に反する実験結果がでたとしよう(これを反証という).その実験を何度も再現してもどうもうれしい結果がでない(再現するためには厳密なデータ,気温や場所などが必要だ.).そうしたらその理論はでたらめなのか?いやそんなことはない.少し荒い近似だっただけなのだ.このようなことは実際に起きている.古典力学(高校まででならった力学)が最も有名な例だろう.これはマクロな視点で,光速に近づかなければ十分よい記述をしてくれる.しかしミクロな視点になったり,亜光速で運動する物体となると使えなくなる(前者は量子力学,後者は相対性理論が必要).

 ではここで”科学的に効果が実証されました”の意味を考えてみよう.おそらくその製品がまともな企業ならば十分な証拠(論文やレポート)を示している.それがないならば疑ってかかったほうがいい.その証拠を確認したうえで,効果を期待してみる(おそらくマシな結果を得られるだろうが).科学に対する信仰心なんてこの程度にしておいたほうがいい.

 

おまけ

 これは上の記事にあまり関係がないがついでに書く.

 よく学術用語のでたらめな使い方を本気でしている人がいるが,それはやめたほうがいい.難しい言葉を使えば確かにかっこいいし,頭がよくなった気がするだろう.しかし意味を知っている人からすれば滑稽極まりない.(逆によくわかっていない人を騙しやすい,疑似科学の常套手段に思える).まず知らない用語が出てきたらしっかりと調べたほうがよい.

 

※この記事は脳内エントロピーを刺激し,デトックスを促進させるため成績を向上させることが科学的に実証されていますが,その確かさは不確定性原理によってこれを保証するものではありません.